2027年3月31日をもって、ANAの「アップグレードポイント」制度が終了することが発表されました(詳細はANA公式サイトのお知らせを参照)。
SFC(スーパーフライヤーズカード)修行の大きな目的の一つが座席アップグレードだっただけに、「もうSFC修行する意味がなくなるのでは?」と感じた方も多いはずです。
この記事では、制度改定の内容を整理したうえで、陸マイラー目線でSFC修行の価値を考察します。
あわせて、手元に残っているアップグレードポイントをいつまでに、どう使い切ればよいかも整理します。
この記事でわかること
- アップグレードポイント制度が具体的にどう変わるのか
- 手元のアップグレードポイントの有効期限と使い切り方
- SFC会員にとっての実質的な影響
- 2028年4月から始まる「SFC LITE」「SFC PLUS」区分の内容
- 制度改定後もSFC修行に価値があると言える理由
- SFC修行を検討する際に考えておきたいポイント
おさらい:アップグレードポイントとは
アップグレードポイントは、ANAプレミアムメンバー(ブロンズ/プラチナ/ダイヤモンド)およびスーパーフライヤーズカード(SFC)本会員(家族会員を除く)に、搭乗実績等に応じて付与されてきたポイントです。
貯めたポイントを使うことで、普通席からプレミアムクラスへ無料で座席をアップグレードできるほか、ラウンジ利用にも使える、上級会員ならではの人気特典でした。
マイルを一切消費せずに上位クラスへ座れるという点で、修行を重ねてSFCを取得した人にとっては、資格取得後のご褒美的な特典として認識されてきた側面もあります。
年会費を払い続けてでもSFCを保持する理由の一つに、このアップグレードポイントを挙げる人も少なくありませんでした。
特に、繁忙期でプレミアムクラスの座席が予約段階から埋まりやすい路線であっても、上級会員であればアップグレードポイントを使って座席を確保できるチャンスがあった点は、他の特典にはない独自の魅力でした。
搭乗のたびに「今回はアップグレードポイントを使おうか」と選択肢を持てること自体が、上級会員でいることのモチベーションになっていた方も多いはずです。
何が変わるのか:マイルでのアップグレードに一本化
2026年度分の付与を最後に新規付与が終了します。
アップグレードポイントは年度をまたいで繰り越せないため、最後の付与分も2027年3月31日までに使い切る必要があります。
今後、座席アップグレードはマイルを使ったアップグレードに統一され、2026年5月19日搭乗分からは国内線にも対象が広がりました。
つまり「上級会員資格を維持していれば自動的にもらえるポイント」から、「貯めたマイルを消費して都度アップグレードする」という仕組みに変わるということです。
なお、公式に「2027年3月31日で終了・50,000マイルの経過措置あり」と明言されているのは、正確にはダイヤモンドサービスメンバー限定の座席アップグレードサービスについてであり、SFC会員を含むそれ以外の会員には同様の移行措置は用意されていない点も押さえておきましょう。
たとえば同じ路線をアップグレードする場合でも、これまでは「上級会員である」というステータスだけで無料アップグレードの権利が得られていましたが、今後は「アップグレード用にどれだけマイルを確保しているか」が座れるかどうかを左右します。
特典航空券用に貯めているマイルと競合することになるため、マイルの使い道の優先順位づけが今まで以上に重要になります。
手元のアップグレードポイントはいつまで使える?
アップグレードポイントの有効期限は、付与された年度の4月1日から翌年3月31日(日本時間)までです。
最後に付与される2026年度分は、2027年3月31日を過ぎると失効します。
年度をまたいで持ち越すことはできません。
残ったポイントをマイルや現金、他社ポイントに交換して期限を延ばす方法は用意されていません。
使い道は、これまでどおり座席クラスのアップグレードとラウンジの利用です。
座席のアップグレードは搭乗予定がないと使えず、希望の便で必ず使えるとも限らないので、年度末を待たずに予定と結び付けておきましょう。
- アップグレードポイントの残高と付与年度を確認する
- 2027年3月31日までの搭乗予定を洗い出す
- 座席アップグレードに使えるか、必要ポイント数と対象便をANA公式で確認する
- 座席で使いにくければラウンジ利用を検討する
なお、終了後はラウンジの利用もマイルでできるようになる予定ですが、ANAは開始時期を決まり次第案内するとしているので、使う前に公式の最新情報を確認してください。
今持っているポイントが自動的にマイルへ変わるわけではない点に注意してください。
SFC会員にとっての実質的な影響
アップグレードのハードルが「マイル残高」に置き換わる
これまでは上級会員資格さえあれば無料でもらえていたアップグレードの権利が、今後はマイルという「使えば減る」リソースに置き換わります。
特典航空券用に貯めているマイルとアップグレード用のマイルを、目的に応じて使い分ける意識がこれまで以上に必要になります。
これは裏を返せば、アップグレードの機会そのものがなくなるわけではなく、「マイルを貯めている限りアップグレードし続けられる」とも言えます。
修行でSFCを取得した後も、コツコツマイルを貯める習慣を続けられるかどうかが、アップグレード特典を活かせるかどうかの分かれ目になりそうです。
修行のモチベーションは今後どう変わるか
今後SFC修行を検討する際は、単に上級会員資格を取ることだけでなく、資格取得後にどれだけマイルを貯め続けられるかも合わせて考えておくと、資格取得後のギャップを感じにくくなります。
「修行して終わり」ではなく、「修行後も継続的にマイルを貯める体制を作れるか」までセットで考えるのがおすすめです。
たとえば、クレジットカードの決済で日常的にマイルを貯める仕組みを持っている方であれば、アップグレード用のマイルも無理なく確保しやすくなります。
逆に修行のためだけに一時的にマイルを貯めた方は、資格取得後にマイルが枯渇し、アップグレード特典を使う機会が減ってしまう可能性がある点も意識しておきたいところです。
それでも変わらないSFCの特典は多い
アップグレードポイントはSFCの特典の一つに過ぎません。
以下の特典は今回の改定後も変わらず継続します。
- ANAラウンジの利用(上級会員資格による無料アクセス)
- 優先チェックインカウンター・優先保安検査場の利用
- 手荷物の優先受け取り・手荷物許容量の優待
- フライトボーナスマイル(ANA公式によると、搭乗マイルに対してレギュラーカード35%・ゴールドカード40%・プレミアムカード50%を加算)
- 一度取得すれば年齢を重ねても半永久的に上級会員資格が続くという、SFCならではの最大の強み
特にラウンジ利用や優先チェックインなどは、搭乗のたびに恩恵を実感しやすい特典です。
アップグレードポイントが目立つ特典だっただけに影響が大きく見えますが、SFCの特典体系全体で見れば、今回変わるのはあくまで一部だという点は冷静に捉えておきたいところです。
ただし、これらの特典が無条件で今後も続くわけではありません。次の章で説明する「SFC LITE/SFC PLUS」の区分次第で、ラウンジ利用などの条件が変わる点に注意してください。
SFCの特典やメリットの全体像は、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ スーパーフライヤーズカード(SFC)修行!〜ANA上級会員になるために

もう一つの大きな変更:2028年4月から「SFC LITE」「SFC PLUS」に二分
アップグレードポイント終了よりも、実はSFC修行を検討するうえで影響が大きいのが、ANA公式が発表しているこちらの制度変更です。
2028年4月から、ANAスーパーフライヤーズカードは年間のANAカード・ANA Pay決済額に応じて「SFC LITE」と「SFC PLUS」の2区分に分かれます(詳細はANA公式サイトのお知らせを参照)。
- SFC PLUS:年間決済額300万円以上(または100万ANAライフタイムマイル達成のミリオンマイラー)。現行とほぼ同じ特典を維持
- SFC LITE:年間決済額300万円未満。ANAラウンジは国際線がANAグループ運航便利用時のみ(羽田・成田・ホノルル限定)、国内線は混雑時利用不可・事前予約制に。SFCマイル特典(継続時5,000マイル)は廃止、スターアライアンスのステイタスもゴールドからシルバーに格下げ
区分の判定期間は2026年12月16日〜2027年12月15日のANAカード・ANA Pay決済額(家族会員分も合算)で、2028年4月からの区分に反映されます。
つまり、これからSFC修行を始める方は「50,000PPを貯める搭乗費用」だけでなく、「資格取得後に年間300万円の決済を維持できるか」まで含めて検討しないと、修行後に想定より少ない特典しか受けられない可能性があります。
結論:SFC修行はまだ価値があるのか
結論としては、SFC修行の価値は今回の改定で大きく損なわれるものではないと筆者は考えています。
理由は、アップグレードポイントがSFCの特典の中であくまで「一部」であり、ラウンジ・優先チェックイン・フライトボーナスマイル・半永久的な資格継続といった中核的な価値は今後も変わらないためです。
ただし前章の「SFC LITE/SFC PLUS」の区分を踏まえると、「価値があるかどうか」ではなく「どちらの区分で価値を得るか」を考える必要があるという方が正確です。
ただし「無料でアップグレードできる」という体験そのものを一番の目的にSFC修行を検討している方にとっては、今回の改定は魅力の低下につながる可能性があります。
修行にかかる費用・労力と、今後も残る特典の価値を照らし合わせて判断するのがよいでしょう。
目安として、以下のような方は引き続き修行の価値が高いと言えます。
- ラウンジや優先チェックインなど、搭乗のたびに使える特典を重視している方
- SFCを取得した後もコンスタントにマイルを貯める習慣がある、または作れる方
- 一度の修行で半永久的に上級会員資格を維持できる点に魅力を感じている方
- 年間300万円のANAカード・ANA Pay決済を無理なく維持できる、またはそれに近い生活スタイルの方(SFC PLUSの特典を確実に受けられる)
逆に、年間300万円の決済が現実的に難しい場合は、SFC LITEとなりラウンジ利用などに制約がかかることを前提に、それでも「半永久的な資格継続」「優先チェックイン」などの価値だけで修行する意味があるかを判断する必要があります。
一方で、無料アップグレードを最大の目的にしていた方は、修行前にもう一度、今後の特典の使い方をシミュレーションしておくことをおすすめします。
また、これから修行を始める方は、修行にかかる搭乗費用や時間的なコストを、資格取得後に得られる特典の総量と照らし合わせて判断する視点も大切です。
アップグレードポイントという分かりやすい特典が薄れる分、ラウンジ利用や優先チェックインといった「地味だが搭乗のたびに積み重なる」特典の価値を、あらためて見直してみるとよいでしょう。
よくある質問
- ANAアップグレードポイントはいつまで使えますか?
-
有効期限は付与された年度の4月1日から翌年3月31日までです。
最後となる2026年度分は2027年3月31日まで使えます。
マイルや現金などに交換して期限を延ばす方法はありません。 - SFC修行はもう完全に意味がなくなったのですか?
-
いいえ、そうではありません。
今回の改定で影響を受けるのはアップグレードポイントに限られており、ラウンジ利用や優先チェックイン、半永久的な上級会員資格の継続といった中核的な特典は変わらず残ります。 - マイルでのアップグレードは国内線でも使えますか?
-
使えます。
国際線に加え、2026年5月19日搭乗分から国内線もマイルによるアップグレード特典の対象になりました。
詳しい条件はANA公式サイトの最新情報を確認してください。 - SFC LITEとSFC PLUSはどうやって決まりますか?
-
2026年12月16日〜2027年12月15日のANAカード・ANA Pay年間決済額(家族会員分も合算)が300万円以上ならSFC PLUS、300万円未満ならSFC LITEとなり、2028年4月から新しい特典区分が適用されます。
100万ANAライフタイムマイルを達成したミリオンマイラーは決済額に関わらずSFC PLUS区分になりますが、継続時の5,000マイル特典は決済額300万円以上の場合のみ進呈されます。
まとめ
アップグレードポイント制度は2027年3月31日で終了し、座席アップグレードはマイルでの実施に一本化されます。
SFC会員にとっては特典の一部が変わる形になりますが、ラウンジ利用や半永久的な上級会員資格といった中核的なメリットは健在です。
一方で、2028年4月からは年間決済額に応じて「SFC LITE」「SFC PLUS」に特典が二分されるため、こちらの変化の方が修行の価値判断には大きく影響します。
改めて整理すると、押さえておきたいポイントは「アップグレードポイントは2027年3月31日で終了」「代わりにマイルでのアップグレードが国内線にも拡大」「ラウンジ・優先チェックイン・半永久的な資格継続といった中核特典は変わらない」「2028年4月から年間決済額300万円を境にSFC LITE/SFC PLUSに分かれ、ラウンジ利用などの条件が変わる」の4点です。
目先の特典の変化だけで一喜一憂せず、SFCという資格全体の価値で判断することをおすすめします。
今後もANAの制度改定は続く見込みのため、最新情報は都度キャッチアップしていきましょう。
ANAマイル制度改定の全体像は、こちらの記事でまとめて確認できます。
→ 【2026年最新】ANAマイル制度改定まとめ|必要マイル数・片道発券・アップグレードポイント終了まですべて解説



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